改革開放とは中国共産党が何もしなくなったこと

 

 中国共産党が1978年以降改革開放政策をはじめ、好調な経済発展を続けているのは周知の事実である。確かに今中国は目覚しい勢いで変化している。改革開放は中国共産党の偉大な成果だと思っている人がいる。中国共産党は最も中国にふさわしい方法でうまく経済を運営していると思っている人がいる。しかし果たして本当にそうだろうか。よく考えてみる必要がある。

 確かに世界中を見渡すと、ラオスやバングラデシュや多くのアフリカ諸国のようにいつまで経っても発展しない、豊かにならない国はたくさんある。そういった国と比べれば今の中国の状況のほうがましに思えてくる。しかし私は今の中国の発展は中国共産党の手腕によるものではなく、外国政府と外資企業の協力、及び中国人の努力によるものであると思っている。何百年も前から中国人は商才に長けた民族と言われてきた。東南アジアのほとんどの国で少数派の華人が経済を握っていることからも良くわかる。また、華人、中国人は上が何もしなくても自分たちだけでうまく経済を運営していける民族である。その最たる証拠が香港だ。1997年まで香港を支配したイギリスの伝統的な植民地政策はレッセフェールと言って、これは日本語で言えば不干渉政策ということになる。つまり何もしないことである。もちろん警察や消防など最低限のことはやる。しかし商業や工業などに植民地政府はほとんど関与せず、香港人の好きなようにやらせるだけである。それによって香港は一人当たりGDP2万ドルを誇るまでになったのである。香港が発展できたのはイギリス植民地政府が何もしなかったからといってもいいかもしれない。もちろん不干渉政策による弊害もある。例えば香港はあまり都市計画がうまくいっているとはいえない。日本の都市もあまりえらそうなことはいえないが、香港は看板などがめちゃくちゃに乱立し、押しつぶれそうな威圧感を感じるほど超高層ビルが密集し、中心部には公園のような気を休める場所はほとんどない。香港の住宅事情は日本よりも悪く、世帯ごとの住居面積が狭い。また、香港には精密機械類や自動車などの国産メーカーが存在しない。とまあ問題を並びあげたが、このような問題が発生しているのも、そもそも香港がこれほど発展できたのもイギリス植民地政府が何もしなかったからの一言に尽きるのである。

 そもそも改革開放とは何だろう。わかりやすく一言で言えば市場経済を導入するということなのだが、考えてみてほしい。いまどき市場経済を導入していない国なんて北朝鮮とキューバぐらいのものである。つまり改革開放は経済政策のみに限定して言えば何も特徴があるものではない。どこの国でもやっていることだ。要するに改革開放とは経済学的に見て全く当たり前のことをやっているに過ぎず、政府が特になにもしなくったって自然と市場経済になるのである。

 かつて中国共産党は精力的に仕事をし、次から次へといろんな政策を打ち出し、実行してきた。反右派闘争、大躍進運動、整風運動、三反五反運動、文化大革命などなど。この時期、中国共産党は人々に対する絶対的な影響力をもっていたし、勢いがあった。まさしく文化大革命は中国共産党の全盛期である。誰もが、本音ではわからないが表面的には毛沢東を賛美していた。誰もが中国共産党を賛美していたのである。その代わり中国全土は疲弊し、中国の全ての人々は耐え難いほどの苦しみを味わってきた。中国の繁栄と中国共産党の繁栄、もしくは中国の利益と中国共産党の利益は反比例するのである。

 しかし、今や改革開放から20年以上を経て、中国共産党には過去のような大規模な運動を行う力は残っていない。今では中国共産党は何をしているのだろうか。何もしていない。改革開放というのはかつては精力的な運動を行っていた共産党が何もしなくなり、中国人に好き勝手にやらせることを意味する。とにかく何もしないことなのだ。絶対に誤解しないでほしい。改革開放なんて中国共産党の偉大なる成果ではないのだ。あんなのはごく当たり前のことをやっているに過ぎないのだ。

 かといって中国共産党が本当に全く何もしていないというわけではない。今でも中国共産党は様々なことをやって、中国共産党政権を維持するために努力しているし、それがゆえに中国の発展には大きな障害となり、中国に多大な損失をもたらしているのである。中国ではいまだに言論の自由がなく、人権も無視されている。外からの情報に過度に気を使いインターネットのアクセスにも制限を加えるありさまだ。膨大な数の国有企業が普通の国の状況で言えばどうしようもない破産状態であるにもかかわらず、なかなか国有企業改革に触れることができずに、放置している。社会主義一党独裁と市場経済の矛盾をなんとか埋めるために一生懸命理論を構築している。そのために数千人の国家の最優秀の人材をこのようなくだらない作業のために費やしている。本来ならば国の発展のために尽くすべき頭脳が何の役にも立たない理論構築のために無駄な仕事をしている。また汚職も非常に進んでいる。今や中国全土で公務員の末端に至るまで汚職が進んでいる。共産党の一番トップが腐敗しきっていて体の肉の骨の髄まで腐りきっているのだからしょうがないであろう。これほど汚職がひどく効率の悪い発展の仕方をしていたら近い将来、中国の発展は間違いなく行き詰る。

だいたいわかっていただけたであろう。中国共産党は中国の発展のためにほとんど貢献していない。それどころか、依然として中国に多大な損害をもたらし、中国の発展を阻害し続けている。中国共産党は中国にとってマイナス要因でしかない。ところで、私は感情的になりすぎて客観的で平衡の取れた視点を失ってはならないと思っている。今起こっている物事を冷静に見つめ、何が良くて何が悪いのか正確に判断しなければならない。実は中国共産党政権が中国にもたらした良いことが一つだけある。中華人民共和国はアジア最強のスポーツ大国であり、アジア大会におけるメダル獲得数はダントツの1位であり、オリンピックにおいても5本の指に入る強国である。これはまさに中国が共産党政権だからこそできた偉業ではないか。もしも、中国が民主的平和的な国家になったら中国のスポーツが弱体化することは避けられないであろう。とまあ中国共産党の成果はこのぐらいであろうか。

 

 




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