不穏な空気が流れる中国社会

 

 北京オリンピック開幕から2週間が経過し、今度はパラリンピックが開幕した。ここ最近は中国に関する大きなニュースはあまり流れて来ない。しかも日本では自民党総裁選モードに突入している。(福田が辞任を表明したことは日本にとって喜ばしいことなのだが)。

 一方五輪が終了した中国では各地で不穏な事件が相次いでいる。8月30日には北京市朝陽区で、大型ごみ処理センターから発生する悪臭が長年継続している問題に対して、北京市民数千人が抗議行動を行った。今どきの中国では年間10万件の暴動や抗議行動が起きているので珍しいことではないのだが、北京市で起きたことに私は注目している。今までオリンピックの開催都市である北京でこうした活動は完全にタブーであった。市民たちはどんなに当局に不満があっても、悲願であった五輪成功のために我慢せざるを得なかった。だが緊張の糸がほぐれた結果、そうした不満がついに爆発したのである。

 9月4日には浙江省寧波市象山県の工場前で1万人以上が乱闘を起こし、これに対して武装警察が電気警棒で弾圧し、30人以上が逮捕されるという事件が勃発した。この事件は14歳の少年が警察ともめた際に工場から飛び降りて重傷を負ったことがきっかけとなっている。事件と全く関係のない1万人の住民たちは日頃充満している政府に対する不信と怒りから暴動に参加したと言われている。

 同じ9月4日には湖南省湘西トゥチャ族ミャオ族自治州吉首市で住民1万人以上が抗議行動を起こして道路や線路を遮断するなどし、これに対して大量の武装警察が動員されて弾圧によって数十人が負傷したという。現地政府も後押しした現地企業による高利息融資が破綻し、元利返済ができなくなったことが原因である。同自治州ではトウチャ族が人口の41%、ミャオ族が33%を占めており、事件の起きた吉首市でもトウチャ族、ミャオ族、漢族の人口比はだいたい3分の1ずつとなっている。

 オリンピック前からこうした事件は各地で頻発していたが、オリンピックという人民を団結させるビッグ・イベントが終了し、今後さらに人民の不満が各地で爆発していくことになるであろう。

 中国にはいつ爆発してもおかしくない不安定要素は書ききれないほどたくさんあるが、今最も目立つ懸念要因は何と言っても株価暴落である。オリンピック開幕前の上海総合株価指数は2727ポイントであったが、オリンピック閉幕時には2405ポイントに下落し、9月5日現在では2202ポイントまで下落している。まさに底なし状態である。昨年10月16日に記録した6124ポイントと比べると64%も大暴落している。このまま下落が続いて2000ポイントを割り込むような事態になれば、精神的限界を超え、各地で暴動に発展する可能性もある。

 株価下落に次ぐ不穏な要素は日本で福田総理が辞任したことだ。小泉首相退任以来、日中両国政府は関係改善に努めてきたことは以前にも述べたとおりである。特に福田首相は中国のマスコミ、世論からは高く評価されてきた。ところが次期首相に麻生氏が有力との報道が流れた途端、中国のネット上では「麻生は極右」との批判的コメントが相次いだ。9月18日には満州事変の記念日が控えている。今後日中関係は確実に悪化していくことことが予想される。だが日本もこの数年わずかずつだが変化してきた。もう今更中国の反日攻勢に振り回されるのは一部の日中友好論者だけで、マスコミ、世論の大部分は惑わされはしないだろう。中国は反日をやりたければ好きなだけやればいい。己の首を絞めるだけなのだから。

 

  

 

 
 

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