誰か止めてー!底なしの中国株式市場

 

 中国株の下落が一向に止まらない。9月11日の上海総合株価指数は前日比3.337%減の2078ポイントとなった。2000ポイント割れまでもうすぐである。

 皮肉なことに前の日には中国国家統計局が8月のCPI(消費者物価指数)を4.9%と発表しており、今年に入って続いていた8%以上のインフレ率が大幅に低下し、市場に安堵感が広がるはずであった。

 9月8日にはアメリカ政府が住宅金融2社の救済を発表したことで、日本、台湾、韓国、香港、シンガポールなどアジア諸国の株価は軒並み上昇したにも拘らず中国株だけが前日比2.68%下落していた。明るい材料があっても下がり続けるのが現在の中国経済の現状なのである。

 中国株が急上昇を始めたのは一昨年の11月からだった。2006年10月31日に1768ポイントだった上海総合株価指数は2006年末には2106ポイント、2007年10月31日には6124ポイントを記録した。わずか1年で346%もの急上昇である。中国の株式投資家、いわゆる股民は瞬く間に1億人に拡大した。

 各地の証券会社には股民たちが短期的利益を求めて集まり、友人とお喋りをしたり、ひまわりの種をつまみながら一日中電光掲示板を眺めて一喜一憂する姿が中国の全土で見られるようになった。彼らの多くは富裕層ではなく、中所得者層もしくは低所得者層であり、中には借金してまで株を購入する者も珍しくなかったという。そもそも彼らは金融市場に関する知識などほとんどない。日本語では股民は愚民と同じ発音なのは偶然にしてはできすぎている。

 だが魔法のような日々は長くは続かなかった。昨年の11月から上海総合株価指数は連日のように暴落し、2007年末には5265ポイント、6月13日にはついに3000ポイントを割り込み、7月3日には2610ポイントまで下落した。ここまで来るとさすがに一時期は下げ止まりの様相であったが、オリンピック開幕あたりから再び下落を始め、閉幕後も下がり続け、とうとう2078ポイントまで下がってしまったのである。昨年記録した最高値と比べると66%ダウン、今年に入ってからでも60.6%のダウンである。

 2000ポイントを割り込むのも時間の問題であろう。そうすればニュースでもちょっとした話題になり、2000ポイントの2が1に変わる瞬間の映像がテレビに流されるかもしれない。

 言うまでも無く、株式投資はゲームではない。彼らの多くは財産をなげうって、それどころか借金を抱えてまで投資に及び、そして失敗したのである。もはや食べていくのも子供を小学校に行かせるのも困難になるであろう。生活の糧を失った股民たちはもはや命を絶つか暴動を起こすしかない。2000ポイント割れで中国に大きな社会不安が広がる可能性がある。

 とはいっても株式市場の動向を予測するのは専門家であっても難しい。中国メディアではかねてから中国政府による市場介入が大きな期待と共に噂されている。健全な市場を育成するためにも政府は介入すべきではないと主張する学者もいるが、多くの学者、マスコミ、庶民は政府の市場介入を望んでいる。とはいっても政府にとってはインフレ抑制のために迂闊に手を出せない事情もある。しかしこのまま放置し続けると、政府は人民を見捨てたとして、中国社会全体に大きな失望感が広がることになる。

 来週、再来週どうなっているかは誰にも予測はできないだろう。当分中国からは目が離せそうも無い。

 

株に熱中する中国の股民たち。

  

 

 
 

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