天安門事件17周年記念講演会

 

文京シビックホール26Fスカイホール

 2006年6月3日、パレードに引き続き、午後7時から文京シビックホールにて六四天安門事件記念集会が開催された。
 

司会を務めた民主中国陣線の李松氏

民主中国陣線の李松氏が司会を務めた。李松氏はこの日のデモについて、秋葉原を行進することが警察から認められたのは極めて異例のことであると指摘し、民主主義の重要性を強調した。
 続いて、前衆議院議員の牧野聖修氏が講演。牧野氏はチベット問題を考える議員連盟代表世話人、金子容子さん問題を考える議員連盟、アジアの民主化を促進する議員連盟代表などを務めている。要するに中国共産党政権の嫌がることばかりやっている。以前は牧野氏の事務所には中国大使館の人間が嫌がらせによく来ていたという。中共の人間に言わせれば、中国政府に反対することは日本の国益にも反しますよ、ということらしいが、牧野氏は堂々と、中国が民主化されて人民が幸福になれば日本にとってもいいことではないかと主張した。中国は国連安

前衆議院議員の牧野聖修氏

保理の常任理事国を務めているが、建国から60年間一度も選挙というものをやっていない。これでは中国人民を代表する政権とは言えない。普通選挙を実施して政権の正当性をきちんと示したらどうか、というのが牧野氏の主張である。これに対する中国側の主張は、中国ではまだ字をかけない人さえもいる。民主化よりも人民を食わせていくことのほうが重要だということになる。だがこれは牧野氏に言わせれば、それはあんたたちの怠慢だ!ということになるのである。
 あるとき、違う場所で偶然に中国大使館の職員に会ったとき、「本当は牧野さんのいうことが正しいと思っているよ」と言われたらしい。
 
 牧野聖修氏は残念ながら昨年9月の総選挙で落選した。中国の民主化問題やチベット問題で奮闘する牧野氏に次回はぜひ当選してもらいたいものだ。
 

大紀元記者の佐藤氏

 続いて大紀元記者の佐藤氏が講演を行った。天安門虐殺事件から17年、中国の経済や社会は大きな変貌を遂げたものの、中国国内の人権状況はほとんど変わっていない。依然として行われている拷問や虐殺をメディアを通じて伝えるのが使命であると佐藤氏は考えている。
 佐藤氏の体験談によると、中国政府に批判的な報道が多いことで知られる産経新聞の記者と話をしたところ、その記者は中国共産党の汚点になるようなことをあからさまには書けない、と正直に述べていたという。あまりにもあからさまに書いてしまうと、中共からの圧力や、それによって引き起こされる影響があまりにも大きいからであろう。佐藤氏は、中国共産党が甚だしい人権侵害を行っていることをあなたは信じるのか、と質問したところ、彼は「はい信じています」と答えたという。産経でさえも中国共産党の真実を伝えられない、これが日本の言論の状況なのだ。
 
 

北朝鮮難民救援基金の加藤氏

続いて、NPO法人北朝鮮難民支援基金の加藤氏が講演した。加藤氏は北朝鮮についてはいろんな話があるのだが、今回は主に中国と絡めて、中国に逃げていく脱北者の現状について話をした。さらに、北朝鮮の独裁政権を延命させている中国の民主化なしには北の民主化もありえないと指摘し、様々なところで情報を発信し、中国共産党がこのままでは政権を維持できないという環境を作っていくことが重要だと主張した。

 国際人権団体アムネスティの中国担当の方が講演した。アムネスティは主に国家による人権侵害を扱っている。一般の凶悪犯罪などは警察が取り締まる事項であるが、国家が国民に対して犯罪行為を行っている場合はアムネスティが積極的に関与していくという。アムネスティは主に政治犯として刑務所に収容された人の救援活動を行っており、この1年間だけでも天安門事件の活動家、ウイグル人の活動家などが釈放された。とはいっても依然として多くの中国人が無実の罪で囚われの身となっているのが現状であり、ウイグル人、チベット人などの少数民族の人権状況の深刻さも指摘した。


 少数民族の問題が出たことから、李松氏が意見を述べた。李松氏は、中国が民主化をする前に、民族の和解を進めることを主張している。この問題が解決しないまま中国が民主化してしまえば大きな混乱が予想されるからだ。李松氏はハルビン出身の漢民族であるが、漢民族に間違いがあればそれを素直に認めて謝罪すべきとも述べている。また、少数民族との対話を通じて、少なくとも今日の独裁政権と対話をするよりも、将来の民主政府と対話をしたほうがいい、という点については合意ができているという。


 

六四虐殺事件の犠牲者のために1分間黙祷を捧げた。

今回の講演会は中国民主活動家、前衆議院議員、大紀元記者、北朝鮮難民支援基金、国際人権団体アムネスティなど様々な立場の人が講演を行い、非常に密度の高い有意義なものであったと思う。
 だが問題点もあると思う。今回のパレードの参加者は50人程度、講演会の参加者は60人程度。普段毎月行われている大紀元主催のパレードでも200人以上は集まるというのに、年に一回の天安門事件を記念するイベントで50人とはちょっと肩透かしを喰らったような感じである。
 もっともっと積極的なアピール、情報発信が必要であろう。

 

会場に飾られていた六四天安門虐殺事件の写真


 
 

 




100MB無料ホームページ可愛いサーバロリポップClick Here!