救う会神奈川主催、拉致被害者と家族の人権を考える市民集会

会場となった藤沢市産業センターが入っているビル。市民集会は8階で行われました。 ビルの入口には旗が掲げられています。

10月7日、拉致被害者と家族の人権を考える市民集会が神奈川県藤沢市の藤沢市産業センターで開催された。湘南のリゾートというイメージが強い藤沢市だが、藤沢駅周辺は北口も南口も多数のショッピングセンターによって囲まれているし、救う会神奈川の事務局は藤沢市にある。
 午後1時半過ぎに会場に入ると、入り口のそばで署名活動が行われていた。もちろん私も署名をしたのだが、それぞれ別個の署名用紙が6つもあって、急いで4つぐらい署名したら、残りの二つは他の参加者がゆうっくりと書いているので、休憩時間に書くことにした。

署名活動と、書籍の販売。私ももちろん署名をしました。それから田口八重子さんの弟さんの体験談を綴ったマンガも購入しました。 署名活動。

 渡された封筒から資料をとりだすと、まず1枚目に本日の集会のプログラムが入っていたのだが、一番下になんと「写真撮影は後援者の安全配慮のため原則禁止です。もし、とられる場合は受付等に申し出てください。」と書かれてある。そんな・・・、写真が撮れなかったら参加する意味がないではないか。宗教的に神聖な行事や、展示会の作品などが撮影禁止というのは理解できる。8月日に町田市で開催された横田めぐみさんの写真展に参加した時には、展示品の撮影禁止ということだったので、スタッフの人に許可を得て、個別の写真は撮らずに会場全体の様子と受付の様子を撮影したことがある。
 今回も会場の人に、「すいません、今日の集会では写真撮影禁止なんでしょうか」と尋ねたら、その男性は「あれ、今日は大丈夫だったような・・・」という曖昧な返事で、その人がさらに別のスタッフに尋ねると、「前回は脱北者の方がいたので撮影禁止だったんですけど、今回は大丈夫です」とのことで一安心。
 午後2時、救う会神奈川会長の 氏が簡単な開会の言葉を述べたあと、さっそく拉致被害者松木薫さん(男

息子と離れ離れになった母の苦悩について語る斉藤文代さん

性)の姉、斉藤文代さんの講演が始まった。斉藤さんは1980年に北朝鮮によって拉致され、両親がそのことを知ったのは1988年、松木さんが知ったのはもっと後だったという。だが薫さんの父は1990年に死去。残された母はずっと息子を探し続けた。外出すると自然と海に行ってしまうという。そして海を眺めては息子の帰りを待ち続けたという。現在は年齢も80代となり、病院に入院する身となっている。姉の松木さんも一生懸命あの手この手を尽くして弟の救出のための努力をし続けてきた。今回の講演では苦しみ続けてきた母についての話が中心であったが、姉の松木さん自身も心身ともに随分と苦しみ続けてきたことと思う。ちょうど安倍晋三氏が総理大臣に就任したばかりであり、安倍新総理への期待も述べていた。

力強く演説をする市川龍子さん。

続いて、拉致被害者市川修一さんの義姉にあたる市川龍子さんが講演した。市川さんは力強い話し振りで、金正日のような悪逆非道の毒性政府を倒し、拉致被害者と北朝鮮の民衆を救わなければならないと主張した。すると聴衆からは拍手が沸き起こった。市川氏は何かというとマスコミの悪口を言う傾向があるらしいが、その度にご主人から叱られるという。ご主人が言うには、彼女の言うことは正しいかもしれないがマスコミは味方につけるべきであって安易に批判するべきではないとの事。市川さんは先日も鹿児島で開かれた講演会に参加し、2千人が集まったという。8月7日にはモンゴルで開かれた討論会にも参加。それについては非常に興味深い話をしてくださった。モンゴルでも北朝鮮に対する不満は非常に大きいという。だが、表面上は友好国であるため、表立った反論はできないらしい。北の常套手段として、モンゴルに対しても様々な恫喝を仕掛けているそうだ。市川氏の口調はますます強くなった。人口2300万人の北朝鮮では20万人が強制収容所に入れられ、300万人が餓死した。本当の人道支援は何かを真剣に考えるべきだ。米を支援したところでどうせ飢えた民衆には届かない。金正日を八つ裂きにしてやりたいと、自ら過激な発言と表現する言葉の述べていた。
 続いて、特定失踪者問題調査会常務理事の杉野正治氏が講演した。杉野氏は、安倍晋三氏が総理に就任してやっとスタート地点にたった。だがあまり時間はない。失踪者の真相究明も重要だが、それよりも彼らを救出することのほうがもっと重要である、と述べられた。
 2002年9月の日朝首脳会談をきっかけに5人の拉致被害者が帰国したが、そのうち、曽我瞳さんについては

特定失踪者問題調査会の杉野正治氏

、日本政府も警察も、北朝鮮に拉致されていたことを把握していなかったという。それ以来、特定失踪者問題調査会のもとには、数多くの人から調査以来を受けたという。様々な人から調査を行ったところ、失踪者の中にはある特徴が見られるという。看護婦などの医療関係者、印刷業の関係者、電電公社の職員などが多数失踪しているという。杉野氏の推測では、北朝鮮の工作員は無差別に拉致しているのではなく、前もって人物を周到に考えて拉致しているとのこと。また、杉野氏は、真相究明をしてから救出してからでは永遠に終わらない、先に拉致被害者を救出することが先決であること、北朝鮮の独裁政権を崩すためには、人権問題で攻めるのが重要であると主張していた。
 
 前半が終わって時点で、とりあえず私は帰宅した。私にとって、拉致問題に関する集会に参加するのは初めてのことである。来年1月には横浜で講演会が開催されるのでぜひ参加したいと思う。今まで私は主に台湾、中国、チベットについて文章を書いたり、イベントに参加したりしてきた。当然ながら個人の力には限界がある。日本のありとあらゆる諸問題、さらには全世界200カ国の全ての苦しんでいる人々のために尽くすことは不可能である。ある程度的を絞らなければならない。私は大学時代に東南アジアに深く興味を持ち、大学院時代には東南アジア諸国の言語政策について研究している。その経験もあって外国の、特にアジア情勢には深く興味を持っていたりもするので、私は純粋な国内問題よりも、アジア諸国、もしくは日本とアジア諸国に関わる問題を扱うようにしている。北朝鮮による拉致問題については、中国共産党による法輪巧迫害問題などとは違って、日本のテレビなども積極的にとりあげるようになっているので、私みたいな平凡なサラリーマンがホームページ上で文章を書いたところで大して役に立たないかもしれない。それでも私は拉致問題について全く何もせずには入られなかった。些細なことでもいいから何かがしたかった。何もしないでいることに罪悪感を感じるのだ。このホームページを見ている皆さんも、ほんのわずかでもいいから行動を起こしてほしい。千円ほどの会費を払って講演会に参加す、署名するなどで十分だと思う。講演会に参加したから即拉致被害者が戻ってくるわけではない。だが基本的に講演会とは参加者が多ければ多いほど意義がある。一人でも多くの人に参加しほしい。一人一人の行動が非常に意義があるのである。
 当然ながら人それぞれ、仕事があり、学業があり、趣味があり、家族や友人や恋人と過ごす時間がある。プライベートの時間を全て費やして拉致被害者救出のために努力すべきなどとは決して言わない。年に2、3回程度でもいいからこういった講演会に参加してみたはいかがだろうか。仮に1億3千万の日本人が年平均1回拉致問題に関する講演会に参加したらとてつもない莫大なパワーとなるはずだ。私も微力ながらささやかな努力をしていきたいと思う。

今回の市民集会には約120人が参加しました。
 

 




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