とりあえず、今のうちに日中首脳会談やっとくべ

 誰もが知っている通り、9月26日に安倍新総理が誕生した。連日連夜テレビで報道されるこの話題については、1億3千万人の日本人のうち1億人以上は何らかの関心を示していることであろう。私はこのような超メジャーな話題についてはとりあげない傾向があったが、今回は安倍新総理の展望について、主に対中関係を中心にして述べることとしたい。
 自民党総裁選はあまりにも安倍氏の圧勝が目に見えていたので、2位争いに注目が集まった。結果として麻生太郎が谷垣禎一を上回ったことに注目したい。谷垣氏は実は保守派の間からイメージされているほどの売国左翼ではない。2003年までは靖国神社に参拝をし、こちらのページでは玉串奉奠者として太字で強調されて非難を受けている。少なくとも福田康夫よりかはましである(福田康夫も2002年までは靖国神社に参拝している)ところが自民党総裁選に立候補するに当たって、誰に厳命されたのかはしらないが、自分の任期中は靖国神社に参拝しないと言明した。理由としてアジア外交の修復を公約に掲げ、A級戦犯の分祀にも言及する体たらく。ただし既存の自民党議員としてはそれほど突出して売国的というわけでもなく、普通に考えれば谷垣が総裁選に立候補すること自体は本人の自由である。
 だがやはり私は谷垣が自民党総裁選に立候補することそのものに大きな問題があると考える。ご存知の方も多いと思うが、谷垣は中国共産党のハニートラップにまんまと引っかかっている。首相の靖国参拝に突如として反対するようになったのもハニーのせいであろう。常識的に考えれば、トラップに急所を噛まれた時点で谷垣は総裁候補としては失格なのである。外国の、しかも中国共産党のような悪逆非道の凶悪独裁政権に急所を握りつぶされた人物が総裁選に堂々と立候補して、マスコミも国会議員も誰も批判しないとはどうしたことだろうか。我が国の政府、政治家、マスゴミは5年ほど前と比べれば若干ましになってきていると思うが、谷垣が立候補している時点で日本の民主主義政治はまだまだ未熟といわざるを得ない。幸い谷垣の得票は最下位に終わった。特に党員・党友票では麻生氏との差も多かった。やはり誰も口にはしないが、多くの自民党員が、谷垣がハニーにやられたことを知っているのだろう。
 さて、ハニー谷垣の話はこれくらいにして、安倍新総理に論点を移そう。総理就任早々中国と韓国を訪問した。これをどう見ればいいのであろうか。安倍晋三氏は小泉氏を上回る保守派(マスゴミなどではタカ派と呼ばれている)の政治家である。当然ながら彼自身も靖国神社に参拝しているし、官房長官時代には次期総理も靖国神社に参拝すべきと述べている。彼の歴史認識なども保守派そのものである。中国政府もそのことをわかっていないはずはない。普通に考えれば小泉前総理への態度以上に強硬な態度をとってもおかしくないではないか。
 承知の通り、日中間の首脳訪問は5年間途絶えている。さすがにそろそろやばいという雰囲気が両国の間に広がっている。特に中国側はそう思っていることであろう。だが中国共産党政権としては、一度小泉の靖国参拝を理由に首脳の相互訪問を拒否したからには後には引けない。さて困ったどうしよう。
 そんなところへ、都合よく小泉から安倍氏へと総理大臣が変わった。安倍氏も総理就任後に靖国神社に参拝する可能性は非常に高いが、とりあえず就任直後だからまだ行っていない。だったら今のうちである。参拝してから首脳訪問を受け入れるのは中国側にとっては難しい。ならば就任直後のまだ参拝していない今の時期に早々と安倍新総理の訪中を受け入れて、長く続いた首脳相互訪問の断絶にとりあえず終止符を打つ、これが日中両国の一致した思惑ではなかろうか。日本側にとっても、自民党は次回の参議院選挙と衆議院選挙では議席を減らす可能性が非常に高く、追い詰められた状況で手っ取り早く功績をあげたいとうこともあろう。
 今回の日中首脳会談は非常に友好的に行われ、靖国問題について安倍総理が「行くとも行かないとも言わない」という曖昧な態度を示したところ、胡錦濤は特に追及しなかったようだ。とはいっても中国側は、安倍氏が小泉前総理以上の保守派であることを知らないはずがない。恐らく行く可能性が高いと見ていることだろう。だからこそ今のうちに首脳会談をやったというだけのことなのだ。毎日新聞は10月9日の社説で、
靖国問題で安倍首相は、参拝するかしないかは言わないという姿勢をとっている。それにもかかわらず中国は首相訪中を受け入れた。首相在任中は参拝を控えるという暗黙の了解があるため、と理解するのが自然だ。双方にリスクを残した"あいまい対応"というより"紳士協定"と言った方が妥当だろう。
 首脳会談で安倍首相は参拝するかどうかは明言せず、「今後は適切に対処していきたい」と述べた。胡主席は問いたださなかった。紳士協定が守られてこそ信頼関係は成り立つ、ということを安倍首相は押さえておいてほしい。

などとトンチンカンなことを述べている。中国は明らかに靖国参拝に反対、日本でもテレビなどの大手マスコミは反対が主流という中で、安倍氏が本当に参拝しないつもりなら「参拝しない」と明言できるはずだ。私は、安倍氏が態度を曖昧にしているのは要するに参拝する意思があると解釈している。ただ単に靖国問題について周囲にあまり騒いでほしくないだけのことだ。
 中国側の友好ぶり、歓迎振りは気になるところだが、中国マスコミの扱いが興味深い。人民日報は訪中を決断した安倍首相を「智者」と持ち上げて絶賛する一方、靖国神社参拝問題などで日中関係を悪化させた小泉純一郎前首相を「自己陶酔する独裁者」とこき下ろしているという。この差は一体何なのか。中国共産党による長年の強烈な反日政策によって、中国人民の、特にネット市民の脳裏には激烈なる反日感情が醸成されている中で、安易に安倍氏の訪中を受け入れたらネット市民からの猛反発を喰らう恐れもある。今や中国共産党が飼育してきた反日ネット市民は、飼い主も慌てるほど凶暴化している。そんな中で胡錦濤の面子を保つためには小泉を徹底的に悪者にして、安倍氏を絶賛しておく必要があるのだ。
 さて、就任間もない安倍新総理に対しては、親台派からも、拉致問題に取り組んでいる人からも、保守層全般から絶大な期待と支持を集めている。(10月7日に藤沢市で開催された拉致問題の市民集会で、後援者が皆一様に安倍新総理への期待を述べていたのが印象的であった)。半世紀以上にわたって我が国の政界やマスコミで左翼が跋扈してきた中で、安倍氏は戦後日本初の本格的な保守政権なのである。
 とはいってもあまり早急な期待はせずに、じっくりと気長に考えたほうが良い。国会答弁でも早速「村山談話」を引用して保守派を失望させる発言をしている。以前よりかはましにはなったとはいえ、我が国はまだまだ反日売国左翼が蛆虫のように蠢いている。いくら安倍さんのような人物でも内閣総理大臣という公的な立場に立ったら、ある程度自分の主義主張を押し殺さざるを得ないであろう。かつて石原慎太郎があれほど総理就任を渇望されながら、本人はそれほど執着しなかったのも、総理大臣になったら都知事のように好き勝手な発言ができなくなることを理解しているからだろう。
 だが我々は安倍さんがどのような人物かを知っている。一時的に意に反するような発言があったとしても、辛抱強く安倍さんを支えていくべきだ。対中関係については、今後日中関係は再び嫌悪化すると私は見ている。とりあえず今は抑えて起きたいと日中双方が思っただけのことで、今後も靖国問題、台湾問題、尖閣諸島問題、東シナ海の資源問題、その他数多くの懸案事項により小泉時代と変わらない日中冷却時代が来るはずだ。日本の大手マスゴミは狂ったように安倍バッシングをするだろう。これは我が国の主権を確立する上で避けては通れない試練である。そんな時、我々保守層は自信を持って、反日売国マスゴミの声などかき消すぐらいに大きな声で安倍総理を支持し、支えていくべきだ。
 当面は日中関係はそれほど大きな焦点にはならないかもしれない。この文章を書いてそろそろアップロードしようと思っていた矢先、北朝鮮が核実験に成功したというニュースが飛び込んできた。今回は主に対中関係についての話題なので、北の核実験についてはこれ以上触れないこととするが、安倍新政権にとっては対中関係以上の差し迫った大きな試練であると同時に、我々一般国民も党派の利害を超えて安倍新政権を支え、我が国の難局を乗り切るべきである。

 


 




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