福田康夫総理が27日、4日間の中国訪問に旅立った。11月にアメリカを訪問したときは26時間しか滞在しなかったが、今回の訪中では4日間も滞在するなど、うわさどおりの媚中ぶりだ。福田総理は何が何でも年内の訪中を実現したかったらしいが、何をそんなに急いでいるのか、年末の27日の訪中である。中国では要人の外遊に名前をつける習慣があり、今回は「迎春之旅」と名づけられている。(ちなみに昨年10月の安倍総理の訪中は「破氷之旅」、4月の温家宝首相の訪日は「融氷之旅」と名づけられている。)だが気候面でもこれから寒さが厳しくなっていく中、私は今回の福田総理の訪中を「媚中之旅」と名づけることにした。ほかにも「売国之旅」や「亡国之旅」なども候補に挙がったが、初の訪中でこれは言いすぎであろうと思い、やや控えめな名前を付けた次第である。

 福田総理は12月27日夕方に北京に到着。翌28日午前には北京の人民大会堂北大庁で歓迎式典が行われ、その後温家宝首相との会談が行われた。
 懸案となっている東シナ海のガス田問題では福田総理は「前向きな議論が行われた」と述べていたが、要するに何も進展がなかったようだ。来年春の胡錦濤来日までの決着を目指すらしい。だが軟弱な福田政権下で日本が一方的な譲歩を迫られるぐらいなら、進展がないほうがまだましとも言えよう。

 福田首相は来年を「日中関係飛躍元年」と位置づけているようだが、もうすでに日中両国は経済的に十分密接に結びついているのにこれ以上どのように飛躍させようというのだろうか。福田政権下で日中関係がより密接になるということは、日本の属国化が進む可能性が懸念される。

 そして台湾問題。福田総理は来年3月に行われる予定の、台湾名義での国連加盟の是非を問う住民投票に反対の立場を表明したという。今まで日本の首相は「台湾独立を支持しない」とは明言しているが、来年行われる住民投票に関しては「内政問題」として言及を避けてきたが、住民投票に反対との表明は今回が初めてである。民主国家で行われる民主的な手続きに反対する理由がどこにあるのか意味不明だ。「現状変更につながる」というらしいが、住民投票で即台湾の国連加盟が決まるわけではない。現状変更につながるのが反対ならば中国が台湾に向けてミサイルを増強していることを現状変更につながるとしてより強い調子で反対すべきではないのか。

 会談後に行われた共同記者会見でもとんでもない事件が起きた。温家宝首相が「(台湾独立を)支持しない」という福田首相の発言を説明し、これを通訳が「独立反対を表明した」と強い表現に「誤訳」したのである。その瞬間福田総理の顔が凍りつき、会見中に資料を取り寄せて、「台湾独立を支持しない」と言い換える場面もあった。総理大臣の発言が歪曲されるなど、ようするに日本は完全に中国に舐められているのである。国辱としか言いようがない。
 28日午後に行われた北京大学での講演では、相も変わらず「日本は過去に真摯に向き合い、過ちを必ず反省しなければならない」と発言、謝罪外交を継続させた。同日夜には胡錦濤国家主席と会談。大した内容のないありきたりの会談であったようだ。

 福田総理の訪中日程の半分まで追ってみた。東シナ海ガス田問題では進展がなく、台湾問題では後退を余儀なくされた。特にこれ以上福田総理の訪中について述べることもなかろう。もともと日中関係を「戦略的互恵関係」と称しておきながら何の戦略もない福田総理には何も期待していないし、何も言うことはない。

 今回の福田総理の訪中は国際的にはさほど関心を持たれていない。ちょうど同じ時期にパキスタンのベナジル・ブット元首相が暗殺され、世界中のトップニュースを独占している。東アジアを見ると、韓国ではイ・ミョンバク当選者の大統領職引継ぎ作業が毎日のトップニュースであり、香港では2012年の行政長官直接選挙を求める民主派の運動が連日トップニュースであるし、台湾では立法委員選挙が2週間後に迫っているし、タイでは23日の総選挙で第一党となった国民の力党(昨年のクーデターで政権を失ったタクシン派の政党)の動向が毎日のトップニュースだ。いずれにしろ日本の対中従属姿勢を強めただけで大した進展もない日中首脳会談がさほど注目を集めるわけがない。

 とはいえ、中国国内では福田総理訪中の注目度は非常に高い。福田総理は就任当初から中国メディアに好意的に報道されていたが、そもそも昨年あたりから中国のマスコミでは日本に関する好意的な報道が増えている。中国メディアは全て中国政府の管理下にあるから中国政府の方針なわけだが、これから日中関係は真の信頼関係構築に向けて良好に進んでいくなどという幻想を抱いてはいけない。中国共産党封建独裁国家の中国では、人民の対日感情も政府によってコントロールされている。今中国政府が対日関係改善に取り組んでいるのは来年夏の北京オリンピックを控え、あまり反日感情が高まりすぎると困るからだ。中国の対日関係の改善など、所詮中国国内問題の延長に過ぎない。

 むしろ我々としては中国が強気に出られない今こそ、積極的に北京オリンピックボイコットなどをしかけて中国共産党暴虐独裁政権を揺さぶるべきではないだろうか。

28日朝、人民大会堂で行われた歓迎式典

 

温家宝首相との日中首脳会談。

 

 




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