香港で民主運動が活発化
 
 

 

 香港で民主化運動が活発化している。12月後半に全国人民代表大会常務委員会で香港の普通選挙導入の時期について話し合われるのに合わせ、香港の民主党や社会民主連盟などの民主派が行政長官直接選挙と立法会普通選挙を求めて大規模な抗議行動を起こしたのだ。

 香港の行政長官は5年に1度、800人の選挙委員会の投票によって選出されるのだが、その選挙委員会は企業・産業界から200人、専門職から200人、社会団体から200人、各級議会議員などから200人という構成になっており、必然的に中国本土との関わるが深い人物が選挙委員を占めやすくなっている。こうして

 選ばれた800人の選挙委員が行政長官を選ぶといういわゆる間接制限選挙であり、民主的とは到底言いがたい。
また、香港の国会に相当する立法会は定数60で、中選挙区制による直接選挙で選ばれるのは半数の30議席に過ぎず、残りの30議席は職能団体から選ばれるという、まるでスハルト独裁時代のインドネシア並みの非民主的な制度である。

 27日には民主活動家のメンバー4人が行政長官直接選挙と普通選挙実施を求める嘆願書を中央政府に渡すため香港を出発。だが香港と深センとの検問所で4人のうち3人が書類不備という理由で通過できず、1人だけが本土入りを許可された。通過を許可された1人は深センから飛行機で北京に入ったものの、北京の空港で拘束されてしまった。その後北京で嘆願書を渡すことに成功した。「香港の人々の意思を尊重し、2012年の普通選挙の実施を可能にしてほしい」と嘆願書に書かれていたという。香港国内でも普通選挙実施を求めるデモや署名活動が頻繁に行われている。

 結果として29日の全人代常務委員会で、2017年の行政長官直接選挙実施を認める決定が下された。変換後の香港で普通選挙に関する具体的な時期が明示されたのは初めてであり、それだけでも一応の前進とは言えるが、民主派は「問題の先送り」として猛反発し、民主派の大物マーティン・リー氏は24時間のハンガー・ストライキを行っている。香港では今後も2012年の民主化を求めるデモや抗議活動が行われる予定だ。

 民主派が怒るのも無理はない。2017年といえば現在から10年後、返還から20年である。経済も豊かで社会も安定し、基本的に民族問題なども存在せず、言論も比較的自由な香港でなぜ直接選挙をそこまで先延ばししなければならないのだろうか。しかも立法委員(国会に相当)の普通選挙実施に至っては2020年まで先延ばしされている。返還後の香港では植民地時代よりも民主主義が後退するという皮肉な事態に陥っている。

 香港の民主運動をリードしているのは民主党と社会民主連盟である。香港人も中国人である以上、我々日本人とは考えが異なる部分も当然ある。例えば歴史認識問題や靖国問題に関しては彼らは中国共産党の考え方により近い。それでも香港人が中国中央政府に公然と反対することに私は意義を感じている。また、民主党が掲げるプラカードや横断幕が緑色であることも好感を持てる。案の定台湾の民主進歩党は香港の民主化運動を支持する声明を出している。
香港の民主活動家には、今回の全人代常務委員会の決定にあきらめることなく、抗議活動を続けて中央政府を揺さぶってもらいたい。

 

 
全人代常務委員会の決定後に抗議集会を行う民主派。  

   


2012年の普通選挙が否定されたことに抗議する民衆。

 

抗議活動の一環。ドナルド・ツァン行政長官、曾憲梓全人代常務委員、黄宜弘香港地区全人代代表を殴り倒す場面

 

   

You tube動画 香港で民主運動が活発化(香港ATVニュース)

   

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