ラサでついにチベット民衆による抗議デモ及び暴動が発生し、ラサは騒乱状態に陥った。3月中旬というこの時期に抗議行動が起こったのは、49年前の1959年3月中旬に、ダライラマ14世がインドへの亡命を余儀なくされ、その直後に中共軍が首都ラサのノルブリンガ宮殿前で41時間に及ぶ連続砲撃を繰り返して数万人を無差別大量殺戮を行う大惨事が起こったことと無関係ではなかろう。だが根本的には現在に至るまで続く中国共産党による圧制にチベット人の積年の怒りが爆発したのが原因であろう。
詳細は大手メディアのウェブサイトで盛んに報じられているので、ここでわざわざ具体的経緯を述べる必要はないと思うが、ここまで大規模な暴動に発展したのは、もともと3月10日チベット人僧侶らが平和的にデモを行ったところ、中国公安が殴る蹴るの暴行を行ったことが発端だ。暴動の責任は中共政府にある。
中共政府は案の定、「暴動はダライラマの策動」などと破廉恥なコメントを新華社電で発表している。中国共産党の恥知らずぶりは相変わらずだ。ダライラマに責任を押し付けたところで、チベット人の民族感情を逆なでするだけで事態を悪化させるだけだろう。
中共は情報隠蔽に必死になっているようで、ラサの市民が北京駐在の産経特派員にメールを送ろうとしても届かないのだという。だが今更情報統制をしてももはや無駄だろう。すでに数多くの情報と写真が世界中に報道されている。日頃チベット問題に消極的な日本のマスコミも今回ばかりは大々的に報道している。
北京オリンピックを間近に控えた中国共産党にとってはまさに面子丸つぶれだろう。とはいえ、自業自得である。そもそもが8000万人の人間を殺した人類史上最悪の凶悪殺人組織である中国共産党政権にオリンピックを開催する資格などないのだ。
私は基本的にチベット問題に関してはテロ行為などは支持しないが、今回のチベット民衆による勇気ある行動は全面的に支持したい。「暴力行為を支持するのか」と非難する者もいるかもしれないが、120万人のチベット人を死に至らしめ、6000個以上の仏教寺院を破壊し(破壊されなかった仏教寺院はわずかに8つ!!!!)、90%以上の僧侶を還俗させた中国共産党の暴力行為の凄まじさとは比較にならない。誰だって過酷な弾圧を受ければそれに抵抗するのは当然である。今回のラサ暴動にしても、同じような過酷な弾圧を受ければいかなる民族でも同じような行動に出るであろう。これを機に、日本でもチベットに対する関心が高まることを期待してやまない。
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