パンダは中国の動物といえるのか

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 1972年の日中国交正常化によって、上野動物園にパンダが贈られた際には日本中でパンダブームが沸き起こった。その後もパンダは多くの人々に愛され続け、やれ赤ちゃんを産んだとか、赤ちゃんの名前がなんとかに決まったとかがNHKのトップニュースになるぐらい、パンダは絶大なる人気を保ち続けた。
 私も中国滞在中には何度かパンダにお目にかかる機会に恵まれた。そのかわいらしい動作と表情は何度見ても見飽きない。
 こんなかわいらしいパンダであるが、中国政府はしばしばパンダを政治利用し、「パンダ外交」などと揶揄されることもあった。そもそも日中が国交を樹立した1972年とは、中国では文化大革命の真っ最中であり、革命、暴力、虐殺の狂乱に見舞われた時代であり、まともな人間が行きたい、住みたい、働きたいと思うような場所ではなかった。そんな中でパンダは中国のイメージアップへの貢献度は計り知れないものがあるといえよう。現在ではパンダは絶滅危惧種に指定され、取引が厳しく規制されている。そんな中でも中国政府は、同じ国という名目で台湾へのパンダ贈呈を計画し、二匹のパンダに「団団」「円円」と名づけるなど、露骨な政治利用をやめようとしない。
 現在ではパンダは中国の「国宝」に指定されている。国際的にもパンダはすっかり中国のシンボル的な存在として定着している。
 しかし、私はあえて異議を唱えたい。パンダが中国の国宝?中国のシンボル?冗談じゃない。そういえば最近、韓国が日本の伝統文化である柔道、剣道、合気道、相撲、和歌、桜などを韓国起源として世界に宣伝しているらしいが、それと同じくらい、いや、すでにパンダは中国のシンボルとして国際的に定着しているため、韓国の文化略奪よりももっと悪質といわざるを得ない。
 そもそもパンダは中国のどこに住んでいるのかご存知だろうか。まず挙げられるのは陝西省南部の秦嶺山地と甘粛省南部である。


 だが、


 圧倒的に多くのパンダが、

 


 四川省に集中している。

 

 


 なんと、

 

 

 

 

 


全世界のパンダの8割が四川省に集中している。

 

 


 しかも、外国や中国国内の他地域の動物園で飼育されているパンダもほとんどが四川省で飼育されたものだ。
 四川省は疑いもなく中国の一部ではないか、と読者の方は思うかもしれない。特に四川省の省都である成都市は、成都動物園と、成都大熊猫繁育研究基地を抱え、パンダが都市のシンボルとなっている。成都市を走っているタクシーにはパンダの絵が描かれているし、街の中心部にはパンダモールなどという巨大なショッピングセンターもある。やはりパンダは中国の動物である・・・・・・


ちょっと待った!

その動物たちは本当に四川省の出身なのか。いや違う。パンダはそもそも四川省の動物でさえないのだ。
現在では成都市や雅安市で多数のパンダが飼育されているが、
そもそもパンダのほとんどは四川省のアバ州で生息している。成都市やその他全世界で飼育されているパンダは、このアバ州に生息していた。
アバ州の正式名称は、アバ・チベット族チャン族自治州。純然たるチベット人居住地域である。現在では観光開発が進んで中国人(漢族)も多数移住しているが、もともとこの地域には中国人はほとんどいなかった。
 つまり、ほとんどのパンダはもともとチベットに生息していたのである。
 でも、いくらチベット人居住区だからといって、アバ州は四川省でしょ、チベット自治区じゃないじゃん、などと言われそうだ。だがそれも違う。
 アバ州が四川州に併合されたのは1955年のことである。まだ半世紀強しか経っておらず、それ以前は四川省に隣接した地域ではあったが、四川省の一部分ではなかったのである。アバ州は州全体が険しい山岳地帯である。それに対し、アバ州に隣接する四川省の成都市、綿陽市、雅安市などは広大な四川盆地の西部地方であり、概ね平野部である。チベットが歴史的に見て中国の一部分出ないのと同様、歴史的に見てアバ州は四川省の一部分ではないのである。
 現在では成都しないに立派な繁育研究基地が作られているが、当然ながらもともと成都に住んでいたわけではない。
 これでおわかりであろう。パンダはチベットの動物であり、チベットのシンボルとなるべき動物であり、中国の動物ではないのである。
 中国による文化遺産、自然遺産の略奪を断じて許すべきではない。

 
 
      BBS
 




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