雲南省バス爆破テロ、最大の加害者は中国共産党

 

 5月の上海バス爆破テロ、7月の浙江省温州市での警察襲撃テロ、同じ月の広東省広州市でのプラスチック工場爆破テロ、そして今回の雲南省昆明市のバス爆破テロなどについて、トルキスタン・イスラム党(TIP)が犯行声明を発表した。当初この情報はアメリカ・バージニア州の情報収集企業によって発表されたが、その後は犯行声明の映像がテレビでも大々的に放送されている。

 基本的にテロ攻撃を支持するのは難しい。全く無関係な無実の市民が巻き添えを喰ってしまう。警察や軍事施設を攻撃対象とするならまだ支持できるが、現実的にそれは困難である。だからといって無関係の市民に八つ当たりして良いことにはならない。

 また、テロというのは国際社会からの支持や理解を得るのが難しいどころか、むしろ国際社会を敵にまわすという大きなリスクを抱えている。東トルキスタンの武装組織がアルカイダなどと同一視されてしまうと、テロリストとは無関係で平和的な活動をしているウイグル人組織のイメージ悪化につながる懸念もある。

 また、そもそもが武装闘争を行ったところで何らかの成果を勝ち取れる可能性は極めて低い。歴史的に見れば武装闘争によって政府を打倒し、政権を奪取した例もあるにはあるが、なんせ中国人の人口はウイグル人の100倍以上、東トルキスタンの武装組織と中共の人民解放軍の人員にはもっと差があるだろう。武力を用いたところで初めから勝ち目は無い。

 例えば50年代〜60年代のチベットや東トルキスタンでは武装闘争をやる意義は十分にあった。あの頃は中共軍や紅衛兵が無差別大量殺戮や宗教施設の大規模な破壊、拷問、強姦などを無尽蔵に行っていた時代である。ならば非暴力を貫くよりも徹底的に戦い抜くほかないだろう。あの頃の武装闘争は間違いなく正義であったし、ほかに方法が無かったと断言できる。だが今の時代はだいぶ状況が異なっている。中国は諸外国と密接に経済活動や外交活動を行っている。中国人もチベット人もウイグル人も世界中に拡散している。そして中国に関するニュースが毎日途切れることなくテレビやインターネットを通じて一般庶民のもとに流れてくる。それならばメディアを駆使した情報戦や街頭活動のほうがよほど効果的であることは言うまでもない。

 さて、ここまで私はテロや武装闘争に対して否定的見解を述べてきたが、ここからは異なる視点からテロについて述べることにしよう。

 四川大地震では7万人もの何の罪も無い中国人、チベット人が犠牲となった。おから建築などの問題もあったが、当然ながら地震の発生は中国共産党が引き起こした犯罪行為ではない。だがテロ行為は違う。何の理由も目的も無くわざわざバスを爆破する人間などいない。彼らには彼らなりの主義主張があり、実際にテロリストたちは自分たちが正義だと思ってやっている。中国でテロ事件が勃発する原因として中国共産党の長年の悪政があることは明らかだ。昆明での爆破テロでは2人が犠牲となった。だが中国共産党は現在でも罪の無いチベット人、ウイグル人、法輪功学習者などを弾圧しており、その犠牲者はテロ事件の犠牲者よりはるかに多いことを忘れてはならない

 また、民主主義国家であれば、社会の様々な問題点、主義主張を堂々と述べることができる。外国人でも選挙権は無くても街頭での示威活動やメディアでの意見表明は可能である。だが言論統制の厳しい国ではしばしば政権への不満が実力行使となって現れやすい。独裁政権というのは一見すると安定しているように見える場合もあるが、実は民主主義国家にはない脆弱性もはらんでいる。

 率直に言ってオリンピックを標的としたテロ事件は起こるべくして起きたとしか言いようが無い。TIPによる犯行声明、及び犯行予告の映像にしても、私は何年も前からいずれはこういうときが来るだろうと予測していた。TIPのメンバーを正義と看做すには無理があろう。ただ私はここではっきりと主張して起きたい。今回のテロ事件の最大の加害者は中国共産党であり、中国共産党の悪政がテロ事件を引き起こしたのである

 ここで問題となるのはテロをやることの効果である。90年代に頻発したウイグル人のテロは、21世紀に入ってからは一応沈静化していたが、今年に入り武装組織による活動が活発化し、北京オリンピックを標的とすることを公言している。

 オリンピックのセレモニーや競技中、もしくは群集が大勢集まるところでテロ事件が複数回勃発したらそれはどのような影響を与えるだろうか。オリンピックは中華民族100年の悲願であり、これによって中国共産党は大中華の威信を世界に轟かせるはずであった。そして今後ますます国力を増強させ、政治的にも経済的にもアメリカを上回る超大国となって全世界を支配することを中国共産党、及びその洗脳カルト人民は夢見ていたはずである。

 だがオリンピックで少なからぬ犠牲者が発生し、結果的に五輪開催が失敗だったと看做されることは中国人民にとって大きな自信喪失となる。その不満は単にテロリストに向けられるだけでなく、中国共産党政府に向けられることになる。一体今まで何をやってきたのか、なぜ我々はここまで憎まれなければならないのか。中国人民は潜在的に中国共産党に対する不満を少なからず抱いているが、五輪開催の失敗によって一気に顕在化する。単に五輪開催に失敗した不満だけで無く、大中華の野望を打ち砕かれた失望感、そして今まで押さえつけられた圧制に対する怒りと憎しみが噴出するのである。そしてそれは大きな社会不安をもたらし、中国人自身による中国政府への容赦ない抵抗へとつながっていくかもしれない。

 テロで犠牲者がでるとは言っても、普通に考えれば数人から数十人規模である。もう一度言う。中国共産党が奪った無実の命は桁違いに多い。オリンピック期間中のテロで数十人程度の犠牲者がでるだけで、中国共産党暴虐独裁政権に致命的なダメージを与えることができるのである。ここで犠牲になる数十人の方にはもちろん罪は無い。しかし現在進行形で残虐行為を行っている中国共産党政権が長期化すれば、(さすがに大躍進や文革のように数千万規模には達しないにしても)数千人から数万人のさらなる無実の命が奪われ続けることになる
いい加減に中国共産党の暴政は終わりにしようではないか。私は他人の不幸など喜ばない。一日も早く、中国に自由と平和が実現することを願って、私はこの文章を書いているのである。

 

 

  

 


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